税理士の使命
税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、 納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命としています(税理士法第1条)。
税理士の業務
税理士は、他人の求めに応じ、以下の業務を行います。
(1) 税務代理
税務官公署(国税不服審判所を含む。)に対する税法や行政不服審査法の規定に基づく申告、申請、請求、不服申立てなど税務調査や処分に対する主張について代理、代行することです。税理士は、税務代理をする場合においては、依頼者から委任状をいただき、税務官公署に提出しなければなりません。
税務調査の立会も重要な仕事です。税務代理をする場合、税務官公署の職員と面接するときは、税理士証票を呈示しなければならないことになっています。
(2) 税務書類の作成
税務官公署に提出する申告書や申請書等の書類を作成することです。
申告書など税務書類を作成して税務官公署に提出する場合は、その書類に署名押印をしなければなりません。
(3) 税務相談
税務官公署に対する申告や主張、陳述、申告書等の作成に関し、租税の課税標準等の計算に関する事項について相談に応ずることです。
(4) 会計業務
税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を行います。
(5) 租税に関する訴訟の補佐人
租税に関する訴訟において訴訟代理人(弁護士)とともに出頭・陳述し、納税者を 支援します。
この税務代理、税務書類の作成、税務相談の業務は、有償、無償を問わず、税理士でなければできません。
また、税理士でない者は、「税理士」「税理士事務所」又はこれらに類似する名称を用いてはならないことになっています。
税理士の倫理
税理士は脱税相談に応ずることができません。また、依頼者が租税に関して不正な行為がある場合には、是正をするよう助言しなければならないことになっています。
納税者の信頼に応えるため、税理士は、業務に関して知り得た秘密を守る義務があり、安心して依頼することができます。使用人についても同様の義務があります。
税理士は、税理士の信用又は品位を害するような行為も禁じられ、税理士業務に関して帳簿を作成し、使用人等に対する監督義務もあります。
税理士になるには
- 税理士試験に合格した者であること
- 税理士試験を免除された者であること
- 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
- 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)
のいずれかに該当しなければなりません。
その上で、日本税理士会連合会に備え付ける税理士名簿に登録し、税理士会に入会して業務を行っています。